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仙境綴~美しき仙界の王と身を捧げる少女~

第6章 三つめの物語~砂漠の鷹~

「何故か、その少女のことを忘れることはできなかった。私はその日を限りに『砂漠の鷹』であることを止めた。仲間を解散し、一人の男、修明として生きてきた。商っている骨董は、昔の戦利品だ。誰も知り得ない場所にひそかに隠してある。それももう残りわずかになった。それらをすべて売りさばいたら―、私はこの世からいなくなるだろう」
 修明は静かに語り終えた。その淡々とした口調は、到底壮絶な昔を語っているようには思えない。

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