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仙境綴~美しき仙界の王と身を捧げる少女~

第6章 三つめの物語~砂漠の鷹~

「それは―、自ら生命を絶つということですか」
 翠華は震える声で問う。
 その問いかけにも、修明はあたかも当然の結論であるかのように頷いた。
「私のような男は本来ならば、とっくに死んでいても良い存在なんだ。もっとも、死んだからと言って、犯した数々の罪が消えるものではないが」
 最後の台詞は、修明に似合わず自嘲的であった。それを聞く翠華の中で言い知れぬ哀しみが生まれた。

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