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仙境綴~美しき仙界の王と身を捧げる少女~

第6章 三つめの物語~砂漠の鷹~

「翠華は私を買いかぶっているだけだ。翠華と同じ家に暮らしていたこのひと月、私が何度お前を抱こうと思ったか、翠華は何も判ってはいない。その度に辛うじて自制心がかって辛うじて事なきを得たが、実際に寝室まで忍び込んだことすらあったのだぞ。それでもなお、翠華は私を信じられるというのか」
 刹那、翠華は叫んでいた。
「信じます、私は修明様を信じられます」
 翠華は修明から眼を逸らすことなく、その視線を受け止めた。

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