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仙境綴~美しき仙界の王と身を捧げる少女~

第2章 初めの物語~砂漠の花―ミイラが語る愛―~

第一話~砂漠の花―ミイラが語る愛―~

 広大な砂漠を若い夫婦が二頭の駱駝(ラクダ)に乗り、旅をしていた。昆論山脈の向こうには「死の砂漠」といにしえから怖れられる魔の砂漠が横たわっている。よほどの急用でもない限り、旅人は砂漠を通る順路を選ばず、山脈を越えるか遠回りになったとしても、山裾を迂回してゆくのが一般的だ。

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