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仙境綴~美しき仙界の王と身を捧げる少女~

第2章 初めの物語~砂漠の花―ミイラが語る愛―~

 地図にさえ載っていないような、ささやかなオアシスではあったけれど、それでも砂漠には珍しくはないリーラの樹が数本汀(みぎわ)に生い茂り、水辺には涼しげな木陰を作っている。砂漠の長旅で疲れた身体を休めるには絶好の快適な場所であった。
 砂漠を行き交う旅人にとって、オアシスは生命綱ともいえる水を供給できる大切な場でもある。

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