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仙境綴~美しき仙界の王と身を捧げる少女~

第2章 初めの物語~砂漠の花―ミイラが語る愛―~

 そこは砂漠に点在するオアシスの中でも小さいものであり―大きなオアシスのほとりには定住して小さな村を形作っている人々もいた―、むろん、無人であった。
 そもそも、この広大な砂漠の殆どは揚国(ようこく)の領土になる。「大都(だいと)」と呼ばれる揚の都は、この砂漠最大のオアシスの下(もと)に築かれた一大都市であり、今や伝統ある先進国羅(ら)や超(ちょう)を凌ぐ繁栄を誇っている。

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