テキストサイズ

仙境綴~美しき仙界の王と身を捧げる少女~

第2章 初めの物語~砂漠の花―ミイラが語る愛―~

 梨羅は超に滞在する羅国(ラーこく)の大使の嫡子であった。羅国は海を隔てた、はるかな北方の大国であり、梨羅のような白い肌、蒼い眼に黄金色(きんいろ)の髪を持つ白色系の民族が圧倒的に多い。
 梨羅は羅の国王の実弟の息子であり、大使に任ぜられた父親と共にはるばる海を越えて超に来た。梨羅は父と一緒に皇帝の住まう宮城にほど近い大使館に暮らしており、良人―猛訓(もうくん)は大使館に仕える従者であった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ