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仙境綴~美しき仙界の王と身を捧げる少女~

第1章 第一話 砂漠の花

 宝寿草は砂漠のオアシスのほとりにも自生するというが、五十年に一度花開き、その花は白百合に酷似していて、得も言われぬ芳香を放つという。花が終わった後、椰子の実にも似た大ぶりの実をつけ、その実は砂漠の国ではデザートや時に非常食、携帯食としても珍重されるのだとも聞いた。
 砂漠ではリーラと呼ばれる宝寿草のまだ花が開く前、その若葉を摘み煎じて服せば、いかなる難病をも癒しに導くと言い伝えられる。

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