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仙境綴~美しき仙界の王と身を捧げる少女~

第3章 第二話 梨羅の姫君

  病の床にある母のためにどんな難病をも治すという幻の妙薬宝寿草(ほうじゅそう)を採りにきた美芳は、昆論山脈(コンロンさんみゃく)の頂近く、山深い仙境に迷い込んだ。そこでめぐり逢った美しき仙王は美芳に彼を泣かせるか、または唸らせるような面白い話を三つせよと迫った。見事その約束が果たせれば、仙王は美芳を人界へと無事帰してくれるという。一つめの話に仙王は殊の外満足した様子で、涙さえ浮かべていた。

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