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仙境綴~美しき仙界の王と身を捧げる少女~

第4章 二つめの物語~梨羅の姫君~

 宴が引けた後、桃華は年輩の女官にしんと静まり返った後宮の、更に奥まった皇帝の寝室に案内された。昼間は艶やかな黒髪を高々と結い上げられ、数々のきらびやかな宝石をあしらった髪飾りで飾りたてられていた。今はそれらも取り払われ、豊かな黒髪を惜しげもなく解き流している。豪華な花嫁衣装は脱がされ、純白の寝衣一枚きりの頼りなげな姿で桃華は大きな寝台にぽつんと腰掛けていた。

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