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仙境綴~美しき仙界の王と身を捧げる少女~

第4章 二つめの物語~梨羅の姫君~

「おお、身体がこのように冷えている」
 皇帝は桃華のやわらかな身体をすっぽりと抱え込み、寝台に腰を下ろした。怯えきった桃華の眼に、壮年の皇帝の姿が映った。やや黄色がかった肌、黒い髪、黒い瞳はまるで深い夜から抜け出してきたかのようだ。超の国の人間は皆おしなべて皇帝のような黄色人種の外見を持つ。

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