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仙境綴~美しき仙界の王と身を捧げる少女~

第4章 二つめの物語~梨羅の姫君~

「羅の国の姫よ、何も怖がることはない。元々、この婚姻の話を持ち出したのは朕(わたち)ではなく、重臣たちなのだ。羅と超が同盟国となってはや長い。今更新たに盟約の証なぞ要らぬと申したのだが、皆頭の固い奴めらばかりでな。ここらで一度、我が国の威光を今一度羅に示しておかばならぬと言い張りおった。姫や姫の父上には申し訳ない事になったが、朕はもとより姫を人質などと思うてはおらぬ。

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