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仙境綴~美しき仙界の王と身を捧げる少女~

第4章 二つめの物語~梨羅の姫君~

 彩鳳が桃華の寝室を訪れることも、逆に彩鳳から桃華に寝所に伺候せよとお召しがあることはなかったが、昼間、彩鳳は政務の合間にはよく皇后の私室を訪ね、桃華の琴に耳を傾けた。桃華は単に美しいだけでなく、教養にも優れ、特に琴をよくした。政務の疲れを癒すために、皇帝はしばしば皇后の許に来てはその琴の調べに聴き入った。

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