無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

村は村人が［コンビーニョ］と呼んでいるお店があります。
果物や野菜、魚や獣肉、日用品などが置いてあるのです。

ある時、とても美味しそうな果物が並んでいたのを見た博士は、村長に言いました。

「あの果物が欲しいのですが、お金は誰に払えばいいのですか？」

コンビーニョには店員さんらしき人が、見当たらなかったからです。

「お金ってなんだ？…欲しかったら持って帰ればいいじゃないか！」

「持って帰ればって…お金、いや…お店の人へのお礼はしなくていいのですか？」

「ここには誰もいないよ。」

驚いた事に、コンビーニョに置いてある品物は全て、欲しければ勝手に持って行っていいようです。
時々近所の野良猫も魚を持って帰るそうです。

品物が無くならないのは、自分たちだけでは食べきれない食材や、庭でとれた果物・野菜、余分に織った布地なんかをコンビーニョに持って来て、これまた勝手に置いて帰るからのようです。