やっと、やっと…
第10章 甘い記憶
触れるだけの口付けは
頬に、額に・・・
優しく落とされていった
智己の唇の触れたところが
熱をもつ
そのまま智己は私の首に口付け
耳を柔らかく噛む
「・・・っ」
思わず声が漏れそうになるのを抑える
「・・くすぐったいよ」
そう笑いながら答えると
もう一度耳に口付ける
チュっと言う音が
耳に直接響いて心がきゅんとうずく
「唯、顔上げて」
耳元で囁くように言われ
顔を上げる
横に座る智己を見上げると
優しく微笑み私を見つめていた
その優しい目に胸が高鳴る
智己は片手で私の頬を撫で
もう片方の腕で私の腰を引き寄せ
さっきよりも深いキスをした…