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やっと、やっと…

第11章 人の夢は儚くて



それはある、休日のこと




体育祭も終わり
これから受験勉強を始める頃のこと





ピンポーン






不意に家のベルが鳴った






「はーい?」




親も仕事で一人で毎日留守番の私は
なんだろうと思いながらも玄関に向かう






ガチャ






開けてみても誰もいない






(・・・?)





気のせいだったのかなと思いながら
ドアを閉め自分の部屋へと戻る






すると





ガチャ





バタン







玄関のドアが開いて閉じる音がした




お母さんでもお父さんでもない


時計を見るとまだお昼の2時
親が帰ってくるには早すぎる時間





(だれ…?)




怖くなって足がすくむ
棒になってしまったように
足が動いてくれない


ベッドの下にでも隠れたいのに

ひたひたと迫る足音に恐怖心が増す






やがてその足音は階段を登りきり
私の部屋の前で止まる





ほんの数秒の事なのに
すごくながく感じられた





私の部屋のドアノブが回る





私はただ部屋の隅に立って
それを見ていることしかできなかった






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