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やっと、やっと…

第12章 凍える心



それから1ヶ月近くが経ったある日
私の心は不安でいっぱいになっていた







それは数日前の休日こと……






私は圭介に呼ばれて圭介の家にいた



圭介のお母さんは優しく
私を歓迎してくれた




(こんなに優しいお母さんなのに、どうして…?)





圭介のお父さんもとても優しい人なのに
何故圭介はここまで人を傷つけるのだろう


いや、そんな認識はないのかもしれない

彼は、私を愛しているが故に
ここまで執着し、何をしてでも自分の物にしようとするのだと

そう思った





圭介のお母さんは
私にケーキとジュースを出してくれた

圭介の部屋は
奥にベッドがある以外に
テーブルと勉強机、本棚がある




私はケーキを食べながら俯き
ぼうっとしていた





「唯…」





遠くを見つめたままで居る私に
圭介は声をかける






私がそれに反応して顔を上げると
圭介は不意に私にキスをした





そして私を愛しげに見つめ
頬を撫でる






「唯、好きだよ…大好きだ」






そう言ってもう一度
今度は深く長いキスをした






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