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やっと、やっと…

第7章 違う姿





「・・んっあ、けい、すけっ
も、やめ、てっ・・」












首を絞められた恐怖と
悲しみよりも心に穴の開いたような空虚感に襲われる












(圭介・・・)











私の頬に涙が伝う





「や、だ・・圭介・・・」










私の震えた声に圭介は上半身を起こし私の顔を見る





「・・・っ唯」






涙が止まらなかった



自分の気持ちに反して
涙が溢れる






「ごめんっ・・唯・・」









圭介は驚いて私から離れた










私は呆然と天井を見つめる

声も出なかった









圭介は私の姿を見て硬直した










乱暴に乱された衣服



手首の痣


首筋や胸につけられた跡





そして








首につけられた手の跡













私の頬に
自分のものではない涙が落ちた














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