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やっと、やっと…

第8章 過ち




脱衣所で服を脱ぐ




手首の痣が

圭介につけられた跡が



首の痣が




さっきの出来事を思い出させた






(怖かった・・)





涙が流れる


どれほど泣いたのか




目が開けられない程に
なっていた







シャワーで体を洗い流す






涙も



圭介に触られた感触も






全てを流した












苦しみや傷は消えない







私はただ呆然と

体の痣を眺めた





胸や首筋の跡を爪で
削るように引っ掻く






跡を消したかった







体の中も
圭介が侵入した私の中を
洗いたかった



下腹の痛みが
あの時の荒々しさを思い出させる


普通の初めての痛みとは

きっと違うんだろう





幸せなんて

どこにもなかった


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