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やっと、やっと…

第8章 過ち






その日はご飯も食べず



部屋に籠もった





親にも心配されたが
風邪を引いたと嘘をついた






次の日は学校を休んだ














気持ちが落ち着くまで


誰にも会いたくないし

一人になりたかった















~~~♪






携帯がなった











圭介からだ










恐る恐る携帯をとる








『着信:山下圭介』








――ピッ









携帯を耳にあてる








『・・唯』








声が出なかった








『何も言わなくていいから聞いて』








『昨日は本当にごめん

俺、唯を傷つけた



智己と仲良さそうなの見て
我慢できなくなってた


それで唯のこと傷つけるなんて
最低だと思う





・・・


ごめんな、唯



俺は唯のこと愛してるから

もう一度だけチャンスが欲しい

もう二度と唯を泣かせたりしない
傷つけない




無理ならそれでも俺は受け入れる


今じゃなくていいから
唯の気持ち聞かせて



勝手でごめん


じゃあ・・おやすみ

切るね』







―――ツーツー










圭介の声は震えていた

泣いていたんだろうか






あの恐ろしい圭介の面影なんて
全くなかった





あの人は誰だったんだろうか





そう思うくらい
さっきの声からは想像もつかなかった







考えれば考えるほど

混乱してしまう






もう寝てしまおう



(明日には学校にいかないと・・)




なるべく皆の前は普通に
平常に・・







赤く腫れた目を閉じて

眠りについた






















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