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やっと、やっと…

第8章 過ち





―――ガラガラッ





「唯ーっ!」





教室のドアを開けると
私の方に駆け寄ってきた友達がいた




『宮田香菜』

私のクラスメイトで
同じ部活の仲間
とても仲良し






「心配したんだよ!
メールも返ってこないし・・」






「ごめんね、体調悪くて寝てたの」





いつもと変わらない香菜の姿に
涙が出そうになる




それを堪えていつも通りの笑顔を作る






「大丈夫ならいいけど・・
ちゃんと連絡ちょうだいね!」






「うん、ありがと香菜」











席に座って鞄を片付ける






(どうしよう・・・)






圭介の電話の返事を
ずっと考えていた





(こんなこと、誰にも相談できないよ・・・)






鞄から昨日先生に提出するはずだったノートを取り出す




(これ出しに行かなきゃな)





ノートをもって教室から出る




真っ直ぐの廊下を歩いて
角を曲がる













(あ・・・)












そこには
圭介が立っていた






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