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やっと、やっと…

第9章 暗い闇の中


―――――――――――



グラウンドから声が聞こえる

もう部活は始まっている


練習着に着替えながら
智己はさっきの事を考えていた








(唯は大丈夫なんて言ったけど



どうせ強がってるだけだろ・・)





唯はいつでもそうだ





どんなに辛いことがあっても
人前では絶対に弱音は吐かない

涙も流さない






(俺には


甘えたっていいのに・・)









(あいつが、



・・・圭介が、


唯のこと大切に思うように












俺だって・・・・







だめだ、そんな事








唯が幸せなら、




俺は・・・)












智己はスパイクの紐を結び
グラウンドに出た



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