やっと、やっと…
第9章 暗い闇の中
―・・・
部活に活気がない
ピッチャーの、圭介のエラーが多い
今日の部活はそのまま
暗い雰囲気で終わった
「おい、圭介」
グラウンドから校舎に戻る途中、圭介に声をかける
振り返る圭介には表情がない
「お前どうしたんだよ・・
エラーするなんて珍しいし」
圭介は答えようとしない
「唯も元気なかったし、
お前らなんかあったのかよ?」
その言葉に圭介の足が止まる
「やっぱりお前が原因か・・」
「お前には関係ないだろ・・」
低い声で圭介が答え
肩に置かれた智己の手を振り払う
だが、智己は肩をさらに強く掴み
圭介を自分の方に向ける
「何があった?」
お互いに睨み合う
「唯のことには口を出すな」
圭介の口調が強くなる
「お前・・
傷つけたりしてないだろうな?」
圭介に合わせるように
智己の口調も強くなる
グラウンドには異様な雰囲気が漂っていた