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花は月明かりに濡れて~四つの恋の花~

第1章 恋花(こいばな)一つ目~春の夢~壱

 おみのは、この川にかかる橋から川へと真っすぐに身を躍らせたのだ。おみのが変わり果てた姿で発見されたのは、夕刻のことだった。気が付いた通行人が人を呼び、駆けつけた泳ぎの達者な男がすぐに川に飛び込んで引き上げてくれたのだが、時既に遅く、おみのは亡くなっていた。

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