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花は月明かりに濡れて~四つの恋の花~

第1章 恋花(こいばな)一つ目~春の夢~壱

 清七の心は次第に重くなる。この場所を通りかかると、いつものことだ。―おみのが身を投げて亡くなったのが、この川であった。
 江戸の外れを流れる名前とて知られぬ小さな川。この川は一見流れが緩やかに見えるが、存外に急で底も深い。

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