テキストサイズ

花は月明かりに濡れて~四つの恋の花~

第3章 春の夢 参

 お須万が夜の町をさまよっていたのは、亭主や子をたて続けに喪った哀しみのあまりであった。その頃は正気を手放していたには相違ないが、素顔のお須万という女は極めて良識的であり貞操観念もしっかりとしているようだ。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ