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花は月明かりに濡れて~四つの恋の花~

第7章 恋紫陽花 参

 思えば、源治とお民は不思議な関係であった。もちろん、同じ徳平店に住む店子同士、相店のよしみと言ってしまえば所詮はそれだけのことにすぎないだろう。源治が徳平店に引っ越してきたのは、今から七年前になる。当時、まだ十八の若者で、存外に整った面立ちにはまだ少年期の名残が強く残っていた。

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