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花は月明かりに濡れて~四つの恋の花~

第7章 恋紫陽花 参

 ふいに、お民の水ごりをしていたときの姿が浮かんだ。白い夜着一枚だけの姿がずぶ濡れになり、身体の線が露わになっていた。ふくよかな乳房や、引き締まった腰から尻にかけての豊かさは二十七という女盛りの年齢を考えても、十分に魅力的で扇情的だった。
 あの艶めかしい身体を、他の、どこの誰とも知れぬ男が抱くのか。お民の白い身体を、夜毎組み敷く男がいるというのか!
 そんな場面を想像しただけで、源治の中で許しがたい怒りと嫉妬の焔がちりちりと燃えた。

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