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花は月明かりに濡れて~四つの恋の花~

第1章 恋花(こいばな)一つ目~春の夢~壱

 清七は夢中で顔を近づけ、乳房の薄紅色の突起を口に含んだ。女が更に声を上げ、やわらかく身をしならせる。そのなまめかしい姿態にもう我慢がきかなくなった。
 月明かりを受けてきらめく川の面に、枝垂れ桜と丸い月が映っている。夜風が吹き渡る度にさざ波立ち、水面が動き、月も花も揺れる。
 ひそやかな二人だけの刻を、ただ月と花だけが静かに見下ろしていた。

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