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花は月明かりに濡れて~四つの恋の花~

第1章 恋花(こいばな)一つ目~春の夢~壱

 不思議な女だった。女体は妖しく咲き誇る花のように成熟しきっていながら、何故か清楚な可憐さを残している。女のどこかあどけない少女めいた仕草や表情が清七にそう感じさせたのかもしれない。
 そっと舌を差し入れると、女はすぐに待っていたかのように舌を絡めてきた。ぎこちない舌の動きがそんな女の存外な幼さを象徴しているようで、清七はいつしか幼い娘にいけいなことをしているような背徳感さえ感じるようになる。

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