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甘恋〜こ、こんなのあり?〜

第11章 文化祭①〜雅×陸×瑠衣〜

ーside by 瑠衣ー

「周りを見てあげられる余裕があるもんね。あたしも見習いたい」


そう言ってぬるくなったココアを嬉しそうに飲む先輩。


あーあ…本当先輩って鈍感。
なんで気付いてくれないかなぁ…


僕が見てるのは先輩だけだってこと。


もしパソコン室に残ってたのが他の人だったら、ココアを買って渡しになんか行かないよ。


心乃先輩だから、会いに行ったんだ。


「そんなことないですよ?

さ、先輩。そろそろ帰りましょう」


「え…でも、まだ書き終わってないのに」


そう言って名残惜しそうにパソコン画面を見つめる先輩。


口元を少し尖らせてヘコんだ顔をしてる先輩、可愛いなぁ…

って思ってる場合じゃなくて。


「それよりも、こんな遅くまで残ってたらお家の人も心配しますよ?」


僕の一言に、先輩の動きが一瞬真顔になって停止した。

……?

どうしたんだろ。

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