甘恋〜こ、こんなのあり?〜
第2章 幼馴染
「お前なぁ…俺は性格も良いんだよ!
とにかく、お前もう帰れ!」
無理やり部屋の外に追い出されるように背中を押される。
「わかったわかった!帰るから押さないでよ!」
渋々帰ることを決めるあたし。
ドアノブに手を伸ばし、帰ろうとしたその時。
「バイト、お前なら責任感あるから大丈夫だろ。
頑張れよなっ」
うしろからかけられた言葉に、胸が温かくなる。
陸はこういうさりげない言葉かけがあるから、相談せずにはいられないんだよね。
本当、良い親友を持ったなぁ。
「ありがと!任せといて!」
あたしはVサインをして部屋を出た。
「ったく…
なんで俺に彼女がいないかくらい、気付けよな」
そんなことを呟いていたなんて、あたしは知らない。