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甘恋〜こ、こんなのあり?〜

第11章 文化祭①〜雅×陸×瑠衣〜

「やっと来た。遅すぎ」


スラリとした身長。

意地悪な声。


そこにいたのは、紛れもなく雅だった。


「な、なんで…」


“なんでいるの”と聞く前に、また誰かが喋りかけた。


「本当、連絡ぐらいしろよなー」


ただでさえ雅がいることに驚きなのに、そのうしろからひょっこりと現れたのはまさかの陸だった。


「り、陸まで!?なんで2人ともこんなところに…」


あたしの率直な質問に、ハァ?とため息の2人。

似てるなぁ、この2人。


でも、そんなバカにしたため息することないじゃないっ。


「「連絡よこさないからだろ」」


見事にユニゾンする雅&陸。

2人の厳しい視線に、自分がどれだけ心配かけたのかを痛感する。


「ご、ごめんなさい…」


ぺこっと頭を下げると、ぽんっと頭を撫でる手が。

この優しく撫でる手は…


「ったく。こないだは連絡してきたくせに、なんで今日忘れるんだよ、バーカ」


頭の上から降ってくる、雅の声。

冷たいこと言ってるけど、あたしの頭の撫でる手が優しいから全然怖くない。


安心するなぁ……なんて思っていたら。

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