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甘恋〜こ、こんなのあり?〜

第13章 文化祭③with陸

「あ、味は同じなんだからいいでしょ!

どうぞお食べください!」


ぷいっとあたしはその場を去って行った。


そんなあたしを、愛しい瞳で陸が見てるなんて…



あたしはまったく気付かなかった。




「ねぇ、あの人が雅って人?」


調理場で問いかけてきたのは千晶。

あたしは休憩がてら飲んでいたミネラルウォーターを吹き出した。


「ごほっ!ち…違うよ!

あれは幼馴染の陸!」


「ほぉー、なかなかのイケメンくんだね。

チャラい感じもなく黒髪の真面目タイプ」


ぶつぶつと陸の分析をする千晶。

いや…真面目ではないよ、千晶さん。


「で、肝心の雅さんは来ないわけ?」


そういえば、もう時刻は午後4時。

あと1時間もすれば文化祭は終わって後夜祭にうつる。


でも、雅にはまだ一度も会ってない。


来るって、言ってたんだけどな…


なぜかため息が出てくるあたし。


「ったく…鈍感なんだか天然なんだか。

あ、どっちも似たようなもんか」


「え、なに千晶?」


「なーんでーもなーい」


千晶があたしまで分析していることに、まったく気付かないあたしであった。

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