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甘恋〜こ、こんなのあり?〜

第13章 文化祭③with陸

陸を見ると、けらけらと楽しそうに笑ってる。

ほんっとムカつく〜っ!!


「はい、じゃあここに“陸”って漢字で書けよー」


「漢字!?難しいからやだよ!」


「ふーん?嘘ついたくせに文句言うわけ?」


ニヤニヤと笑ってる陸に、ムカついて顔に書いてやろうかと思ったことは言わないでおこう。


仕方なくあたしはオムライスに字を書き始めた。


書いているあたしのすぐ横で覗いてる陸。


オムライスに書く手と陸の顔が近くて、ぷるぷると手が震えてしまいそう。


な、なんであたし陸なんかにドキドキしてんの?


陸は幼馴染!

幼馴染…なのに。


「ぷっ。へったくそー、ケチャップが広がって文字になってねーし」


隣でまた笑ってる陸は、きっと気付いてないんだろうな。


あたしがこんなにドキドキしてることも、


陸の笑顔が、こんなにキラキラしてたんだって初めて知ったってことも。

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