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甘恋〜こ、こんなのあり?〜

第14章 文化祭④with雅

ーside by 心乃ー

もう来ないと思ってたのに、やっと来た。


昨日も屋敷で顔を合わせているのに、いまなんだか泣きそうだ。


「お、遅い…よ」


「でも来ただろ」


「カフェ来なかったじゃん」


「来たんだからいいじゃねぇか。それに…」


ぐいっと腰を引っ張られ、あたしは雅の胸の前まで体が迫った。


「わわっ」


焦るあたしに、おかまいなしに雅は話し続ける。


「リズムに合わせて踊れよ?」


お、踊るって!?

考える暇もなく、雅の足が動き始めた。
それに合わせてぎこちなく動くあたしの足。


「ぷっ」


「わ、笑わないでよ!これでも一生懸命踊って…」


言いかけた瞬間、足がもつれて転けそうになったけど、雅がいとも簡単に支えてくれる。


「重い」


余計な一言言わなきゃ素敵なシーンなのに。

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