テキストサイズ

甘恋〜こ、こんなのあり?〜

第16章 お弁当争奪戦②

よくないよ。

どうしてあんな悲しい顔をしていたのかも気になるし、どうして突然帰ったのか…


雅は心が読めないから、言ってくれなきゃわからないのに。


「先輩……

雅さんのとこ、行ってあげてください!」


瑠衣が芯のある声で言った。


さっきまでの甘えた声じゃなく、後ろから背中を押すように。


「瑠衣…でも」


「雅さんのこと、心配なんじゃないですか?

なら、行ってあげなきゃ。


ここは僕と陸さんで片付けくらいできますからっ」


瑠衣の言葉に、あたしは少し考えてからコクンと頷いた。


そしてあたしは、雅の去った方向へ走った。



「お前、お人好しだよな…」


「陸さんこそ、もう少し大人の対応できないんですか?

いくら心乃先輩が好きだからって嫉妬しすぎですよ、いんじゃね?なんて」


こんな会話を2人がしていたのは、心乃には届かないのだった。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ