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甘恋〜こ、こんなのあり?〜

第17章 本音

ーside by 心乃ー

数十m先にいる雅は、あたしの声に反応して立ち止まってくれた。


やっと目の前に着くと、あたしの息はぜはぜはしてて…


まずは止まって深呼吸をした。


「すぅー…はぁー…

…もう!なんで急に帰っちゃうの?」


落ち着いてから怒ると、雅はふてくされたみたいにそっぽを向いてる。


ガキみたいなんだから!


「なにか怒ってるなら言ってよ。

言ってくれなきゃ、なんもわかんないじゃない」


違う。

こんな嫌味たらしく言いたいわけじゃない。


ただ心配だったって伝えたいだけなのに。


どうして素直に言えないの、あたし。


「……だったから」


あまりに小さな声すぎて、あたしは雅の声が聞き取れなかった。


「へ?」


「…っ。

だから、お前らがイチャイチャしてんのが嫌だったんだよ!


鈍感女!気づけよな」


そう言って雅はあたしのおでこにデコピンをかましてきた。


「いたっ!!」

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