甘恋〜こ、こんなのあり?〜
第20章 婚約者?
俺は決めたんだ。
ほんの一時の時間でも、俺の素が出せる日々が手に入るのなら…
彼女との結婚は、北條家のためなんだ。
…仕方ないこと、なんだよな。
「では、2人で散歩でもしませんか?」
俺の口から発せられた言葉に、隣にいた親父も嬉しそうにしていた。
「素敵ですね、行きましょう」
こうして俺たちは両家の親を残して外へ散歩へ出ることに。
互いに話をしていくうちに、彼女は政略結婚について違和感をまったく感じていないようだった。
「生まれながらに決められたことでしょう?
わたしは朝川の長女として責任を持って生まれた身ですから。
朝川の名に恥じぬように生きなければならないことに、なんの抵抗もありませんわ」
彼女は俺とは違う。
俺みたいにガキじゃなくて、ちゃんとわかってるんだ。
それでも…
俺は、とりあえず自分の気持ちを話した。
「俺は…
あなたのようにはなれません。
初めてお会いしたのに、こんなことを言うのは失礼ですが…
俺は無理やり結婚させられることに抵抗しか感じないんです。
ですから…
あなたと結婚したとしても、俺は本気であなたを好きになれませんよ?」
はっきりと言ってしまっただろうか。
カコカコと鳴っていた下駄の音が、ぴたりと止んで彼女はこちらをじっと見ていた。
ほんの一時の時間でも、俺の素が出せる日々が手に入るのなら…
彼女との結婚は、北條家のためなんだ。
…仕方ないこと、なんだよな。
「では、2人で散歩でもしませんか?」
俺の口から発せられた言葉に、隣にいた親父も嬉しそうにしていた。
「素敵ですね、行きましょう」
こうして俺たちは両家の親を残して外へ散歩へ出ることに。
互いに話をしていくうちに、彼女は政略結婚について違和感をまったく感じていないようだった。
「生まれながらに決められたことでしょう?
わたしは朝川の長女として責任を持って生まれた身ですから。
朝川の名に恥じぬように生きなければならないことに、なんの抵抗もありませんわ」
彼女は俺とは違う。
俺みたいにガキじゃなくて、ちゃんとわかってるんだ。
それでも…
俺は、とりあえず自分の気持ちを話した。
「俺は…
あなたのようにはなれません。
初めてお会いしたのに、こんなことを言うのは失礼ですが…
俺は無理やり結婚させられることに抵抗しか感じないんです。
ですから…
あなたと結婚したとしても、俺は本気であなたを好きになれませんよ?」
はっきりと言ってしまっただろうか。
カコカコと鳴っていた下駄の音が、ぴたりと止んで彼女はこちらをじっと見ていた。