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甘恋〜こ、こんなのあり?〜

第20章 婚約者?

すっと席を立ち上がった着物姿の女性。


「朝川千鶴と申します。

よろしくお願いいたします」


そう言って深々と礼をする彼女だが、俺にはあまり好きにはなれなかった。


「ほら、お前もあいさつしなさい」


親父に急かされ、俺は渋々と立ち上がった。


「北條雅です。よろしくお願いします」


社交辞令のあいさつを告げて微笑んだ俺は、すぐに椅子に座り直した。


ちらっと彼女を見ると、終始微笑んだままでまるで人形のようだ。


「顔合わせも終わったことですし、あとは2人の時間にしましょうかねぇ?」


はぁ!?

このババア(朝川家の母)なに言ってやがる!


2人きりなんてごめんだ。


しかし……

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