テキストサイズ

甘恋〜こ、こんなのあり?〜

第20章 婚約者?

ーside by 心乃ー

雅には、婚約者がいたんだ。

しかも、生まれたときから。


驚いた話だったけど、あたしの頭は思ってたより冷静だった。


「じゃあ…あの人は、婚約者だったんだ」


「彼女も俺が大学にいる間は自由にさせてくれてるんだ。

卒業したら、すぐに結婚。


俺をできるだけ近くで見張るために、同じ大学にいたんだよ」


見張るためだなんて…


あたしにはまったくわからない、お金持ちの世界。


雅はその中でずっと苦しんでたんだ。


雅の苦しみに初めて気付いたし、それと同時にあたしの心にひとつの答えが出た。



あたしは雅とは……



「つーか…雅、お前心乃のこと諦めるつもりなのかよ!」


あたしのいる目の前でそんなことを言う陸。


「やめなよ、陸!」


止めても陸は雅に食ってかかった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ