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甘恋〜こ、こんなのあり?〜

第20章 婚約者?

「だって好きなんじゃねぇのかよ!

俺も瑠衣も、諦めない気持ち誓ったんだよ!なのにっ。


お前が一番諦めていいわけねーだろ!」


「諦めてなんかねぇよ!」


大広間に響く声。


初めて雅の大声を聞いた。


あたしの胸がドキドキと鳴る。

声にびっくりしたからっていうのもあるけど、雅の言葉が嬉しかったから。


「残りの大学生活で、俺は必ず縛られない未来を作るって決めたんだ。

彼女を説得して、結婚の取りやめを頼み続けるさ。そしてー…



俺は俺の未来を築く」


そう言った雅の瞳には、決意が見えた。


大学生活での自由のためだけに、一生の結婚を交換することなんて…


そんなこと、していいはずないから。


「雅」


あたしが名前を呼ぶと、彼はじっとあたしを見つめた。


黒く光る瞳が、あたしを見据えてる。

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