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甘恋〜こ、こんなのあり?〜

第21章 夕焼けの心

雅から色んなことを聞きすぎて、あたしは驚きを隠せなかったけど…


まぁ、色んなことがわかってよかったのかも。


「…とは言っても」


はぁっとため息をついたあたしは、夕焼け空を眺めながら近くの河原で佇んでいた。


屋敷の近くではなく、あたしの家の近くの河原。


子供の頃はよく来ていた場所だ。


よく悩んだときはここに来てたっけ…


「婚約者…か」


諦めないで、とは雅に言ったもののあたし自身が大きなダメージを受けていた。


でも…


あたしの気持ちって、本当は誰に向いているんだろう…


それさえもわからないのに、雅に婚約者がいることで悩むなんて。


「あたし、バカなのかな…」


河原でひとり体育座りしたまま、あたしは顔をうずめた。


「やっぱりここにいたか」


うしろから聞こえた声に、あたしははっと振り向いた。


うしろにいたのは…

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