テキストサイズ

甘恋〜こ、こんなのあり?〜

第22章 真相と決意

まだ気持ちは切り替えられないけど、学校にはちゃんと行かなくちゃ。


昨日は陸と瑠衣が家まで送ってくれて、話もたくさん聞いてくれた。


2人の優しさを、無駄にしたくない。


部屋を出て朝ごはんの準備をしに大広間に行くと、すでにテーブルに雅が座っていた。


「おはよ」


コーヒーを飲みながら声をかける雅。


「おはよ。朝ごはん用意するね」


そう言って歩き出したあたしの手を、雅がぐっと引き止めた。


「どうした、の?」


掴まれた手が熱を帯びる。


「悪りぃ…今日は朝いらないから、気をつけて学校行け、な」


「う、うん」


目を合わせないまま、雅は掴んでいた手を離した。


でも…なんとなくだけど、雅も悩んでるんだろうなって思った。


きっと一番辛いのは、雅のはずだから。


「いってきます」


雅を大広間に残し、あたしは屋敷を出た。






「…あれ、心乃もう行ったの?」





ストーリーメニュー

TOPTOPへ