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甘恋〜こ、こんなのあり?〜

第7章 心配性の陸

でもまぁ、雇い主に背を向けるのは失礼よね。


「それと…まずは着替えてこい」


へ?

予想していなかった命令に、一瞬きょとんとしたあたしだけど、大人しく聞いておこう。


「わ、わかりました」


いそいそと雅の部屋を出るあたし。
と、とにかく早く着替えて2人のところに戻らないと。またいがみ合われても困るし…




急いであたしが着替えているその頃、雅と陸の間にはしばしの沈黙が続いていた。


「……あんた、心乃の親父さんの上司の息子なんだって?

別に心乃がメイドじゃなくたっていいだろ」


最初に沈黙を破ったのは陸。


「俺だって初めはそう思ってたさ。でも…

あいつは興味深い。しばらくはここでメイドとして働いてもらうさ。色々と…ね」


妖艶に微笑む雅を見た陸は、悔しそうに下唇を噛みながら雅を睨みつけている。


「そういえば、あんた心乃のなんなわけ?」


「あんたじゃない。佐久間陸っていう名前があんだよ。

俺は心乃とずっと一緒にいた幼馴染!
そういうあんたは?」


「俺か?俺は北條雅だ」

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