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甘恋〜こ、こんなのあり?〜

第9章 ゆっくりと過ごす時間

そんな曲がったことしか言えないあたしに陸は。


「当たり前だろっ。なんのためにここに住むと思ってんだよ!

お前のこと守るためだろーが」


そう言ってわしゃわしゃとあたしの髪を撫でる。


「わーーっ!髪の毛触んなっ、バカッ」


「なにおう!お前だって俺んち来るとこうやって俺にちょっかい出してたくせに!」


うぅっ。

それはそうだけどっ。


それでも髪の毛を爆発させられた怒りは収まらず陸に掴みかかるあたし。


なんだか小さい頃に戻ったみたいで、懐かしいな。
こんなにはしゃぐの、いつぶりだろ…


それに…うじうじ悩んでたのがアホらしくなってきちゃった。

困ったときはいつの間にか気付いてくれる人がここにいる。それだけで、悩んでた心が軽くなった気がした。


それに。


久しぶりに陸と向かい合って話せた時間だった。





………ありがと、陸。


この言葉は、胸の奥にしまっておこう。

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