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甘恋〜こ、こんなのあり?〜

第9章 ゆっくりと過ごす時間

「そうやって笑ってろよ。
お前、色々悩んでるみたいだったからさ。

…まぁ、雅や俺のせいだろうけど」


え……?


そっぽを向いたまま話を続ける陸。


「一緒に住むなんて勝手なこと言ったけどさ、これでも申し訳ねぇなって思ってるんだぜ?

それでも……


心乃のこと、マジで心配だったんだ。
…悪りぃな、悩ませちまって」


どうして…あたしが悩んでたこと、わかるの?


2人の前では平気な顔してたのに。

なんで陸は、あたしの考えてることわかるんだろ。


『ごめん』なんて言われたら、許さないなんて言えないよ…


「…陸のバカ」


「そーだな」


素直に受け止めんなよっっ。


「あんたのこと、許さないから!
その代わり………



あたしが困ってるときは絶っっ対に助けてよね!」


あたしなりの陸を“許す”こと。

別に本気で怒ってるわけじゃないし、むしろ陸がいてくれたら助かることはたくさんあるだろう。


でも…最近素直に想いをぶつけてくる陸に、あたしは少しだけ捻くれたことしか返せなかった。

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