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陽だまりの仮面 -嘘-

第6章 本腰?

「そうですか。

じゃぁ、分かりました。」



の言葉と同時にスッとあたしから離れた花木君。


あたしはどんな顔してればいいのか分からず、取り敢えず俯むき気味で

上目で花木君の顔を見上げる。



そこには、抱き締められる前と同じように無表情な花木君が居て



ちょっと気分は複雑。



だって、…抱き締めた後に無表情って…

ちょっとくらいニコリと笑ってもいいような気がするし。



「琉愛がそう望むんでしたら」


「え…?」


「僕も、本腰入れてやりますよ。」

「あ、あの……?」


「昨日今日と中途半端ですみませんでした」


「あの、花木君…?」


「僕も心を入れ替えて、本腰で取り組みます。

琉愛との、恋人ごっこ。」



花木君の。

ある種、決意表明にも似た発言を聞きながら少し戸惑ってるあたしの頭を、花木君は軽くポンと叩いて



「じゃぁ、行きましょうか。

琉愛」



あたしの下の名前を、当たり前のように呼んで


先に図書室から出て行った。




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