陽だまりの仮面 -嘘-
第7章 夕陽と泪味
「じゃぁ、乗ってください」
「…宜しくお願いします」
……何だろう。
相変わらず、花木君の自転車に跨る事はドキドキするけど
だけど、3度目にもなるとドキドキするけど躊躇心は薄れてくるから
人間って凄い。
自転車に跨ってあたしを待つ花木君の後ろに自分も跨って
両腕を彼の腰へ。
3度目にもなると、ちゃんと彼に掴まってられてるのか
前から苦情の言葉も飛んでくる事もなく
「行きましょう」
「はいッ」
生徒から指を差されたりと注目を浴びながら、自転車で正門まで。
途中
「あ!琉愛!!」
「あ、砂羽ぁ♪」
「帰ったら電話するね!」
「ラジャー♪♪」
ニタニタ笑う砂羽と出くわして。
そんな砂羽に、あたしは苦笑しながら軽く手を振って別れた。