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陽だまりの仮面 -嘘-

第7章 夕陽と泪味

花木君と帰る、帰り路。


昨日と変わらず全く何も喋らない彼の背中で、あたしは6限目の事を思い出していた。



―――――――・・
―――――・・
―――・・



「琉愛!!サボりかっ!」


「あははは………」


「戻って来ないから心配したんだからね!?」


「すみません……」



教室に戻るなり、砂羽に怒涛のように怒られて。



「琉愛…あ、間違えた。

“牧村さん”!!何もなかった!?」



クソ木山の今更ながらの“牧村さん”に多少なりの苛立ちを覚えつつも


あ、そうか。

花木君に言われたのか。



と、名前呼び禁止令を受けたクソ木山がちゃんと守ってるとこに心の中でクスッと笑いながらも



「大丈夫だよッ♪」



飛び切りの営業スマイル。



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